日 時 : 2012年 2月 21日(火)18:30~
場 所 : エルトピア中和 1F大会議室
出席者 : <構成組織>
米田勝紀(自治労)、西基之(私鉄)、丸木 大(私鉄総連)、
代理 松場(私鉄総連)、鎌戸平治(UIゼンセン)、千木良隆寿(UIゼンセン)
植槇憲法貴(UIゼンセン)、蘒原武士(UIゼンセン)、山下義且(UIゼンセン)
藤本健司(UIゼンセン)
<連合奈良>
竹平均事務局長、水野仁副事務局長、岡本孝和中和地協事務局長
<各級議員>
大西 孝典衆議院議員、山下力県会議員、森山賀文県会議員、
尾崎充典県会議員、森川喜之県会議員、梶川 虔二 県会議員、
中村良路市議会議員、西村元秀市議会議員、岡田 光司市議会議員
溝口 幸夫市議会議員、辻本 茂町会議員、渡辺 哲久町会議員、
中村哲治参議院議員秘書、前田武志参議院議員秘書、
吉川 政重衆議院議員秘書、
合計 28名
主催者代表挨拶 竹平均事務局長
本日は、大変お疲れのところ「中小企業労組との意見交換会」にご参加いただきありがとうございます。本日2会場で同時開催につき、中南和会場では、私が挨拶させていただきますことお許し頂きたい。
2012春季生活闘争も中央では10日に闘争開始宣言、連合奈良も11日に春闘討論集会を開催し、いよいよ本格的に始まった。2012春闘を取り巻く情勢をあらためて言うまでもないと思いますが、世界の同時不況、歴史的な円高、災害復興、国家的な厳しい財政状況を背景に社会保障全般が不安視されている。このような中、働く者の雇用・生活をどう守っていくか。特に賃金水準の復元・底上げ・底支えによる格差の是正を基本においてしっかり取り組んでいきたい。奈良県の地場・中小の春闘をしっかり支えていく、その為にも昨年12月に、鎌戸平治UIゼンセン同盟の支部長を本部長とする連合奈良中小共闘センターも立ちあげているところである。本日は、各単組の忌憚のないご意見を賜りたいと考えますし、多くの議員の方々もご参加頂いています。率直に意見を受け止めて頂けると思います。
連合奈良中小共闘センター 鎌戸本部長 挨拶
ご苦労さまです。昨年10月から、連合奈良副会長、中小対策委員会の委員長として活動させて頂いております。UIゼンセン同盟も県内に大変多くの中小企業を抱えており、厳しい春闘になると考えている。
連合のデータによりますと、民間事業所に勤めている方の賃金が、この10年間で年収ベースで約1割も低下。これを何とかしなければと考えている。大手は3月14.15日で決着の予定。そして中小は、3月末までに3つくらいの山場。その後、各地方の中小の賃上げ交渉となっていく。精力的な交渉をお願いするとともに、連合奈良としては、出来るだけ情報開示した中ですすめたい。大手はベア無しといえども、6,7千円の定昇がある。中小の交渉に当たっては、これらも踏まえて交渉頂きたい。色んな経済データを見ているが、奈良県は、民間事業所の数は全国で40位、就業者数に占める第三次産業は70%で全国10位、年間の商品販売価格は全国で46位。県内で買われていないという実態。色んなデータを吟味しながら、交渉に活かしていただきたいと思っている。
<意見交換内容>
議 員:就職について、大企業志向などによるミスマッチの問題。中小企業的には、
採用ニーズは、あるのか?
自治労:自治体では、60万人の臨時非常勤がいると言われている。広報に掲載される
人件費にはカウントされていない。市民から見ると正職員と同じように見える働
き方をしている。民間の非正規よりも守られていない不安定な雇用契約である。
組織化も奈良では200名くらいでまだまだ。労働組合に相談が余り無いのが気
になる。
連 合:ミスマッチは全国的にある。3Kの職場には、給与を上げても就職したがらない
現実がある。また、親が子にやめさせるという現実がある。求人出すと、給与・
福利厚生で大企業に太刀打ち出来ない。進学率が上がり、大卒者が多く給与水準
が高くなる。外国人しか来ない産業だってある。
UIゼンセン:子供医療費が、自治体で大きく差がある。県としてその辺どうなんでしょうか?
議員 :県として統一的な制度というものはない。自治体の実情で、他にも国民健康保険・
生活保護など県に対して補助を求めることが多い。どれくらい県が補助出来るの
か、国として制度設計すべきなのかという観点で議を深めている。
議員 :生活保護の申請をせずに無くなったニュース。制度をずるく使うケース。消費税
の納税を事業規模が小さければ、3年後~ということを良いことに、2年で事業
を止めては、また違う名前で事業したり・・行政がきっちりフォローしないとい
けない。
議員 :県内企業が外に出て行く現状に県として、県内に定着していだける企業になって
いただけるよう企業とタイアツプする事が大切と感じている。バックアップする
ためにも県として県内企業の製品を積極的に購入するなど・・
議員 :県が4年間で100社の企業誘致を行った。それによって雇用の創出にもなった
というが、県内から県内に移転しても新たな設備投資の補助金が出たりするケースもあり、必ずしも企業誘致の件数と労働者が期待する雇用の創出とは、リンクしていないようである。
自治労:介護現場の労働者の処遇改善のため、介護
報酬以外で、税金から15000円を補助
する制度があるが、事業所として申請した
のが、75%であった。その制度が切れる。
また、行政が仕事を委託する現状は、コ
ストを押さえられるという観点なら、どん
どんと非正規を増やしてしまう。公契約条
例の制定は必要だ。
議員 :15000円を補助する制度があるが、事業所として申請したのが、75%であ
るという一つの理由は、制度が切れた時に15000円が無くなって、その分を事業所が負担して介護労働者に渡し続けるくらいだったら、最初から申請にない方が良いという考えもあったようだ。公契約条例は、県としても動いている。
連合 :定昇制度もってるとこは?定年後、65歳まで雇用するという取り決めある所は
どの程度ありますか?
議員 :サービス残業の摘発を労働組合はやっているのか?また、連合は、キャンペーン
をしているのか?
連合 :労基署に摘発されたデータは全部把握しているし、単組でのサービス労働につい
てのチェックは、各産別できっちり指導している。しかしながら、中小労組は、
大手の企業内労組のように専従役員がいないので、仕事しながらの組合活動とい
う面があり、きっちり把握できていない部分もあるかもしれない。
連合 :65歳までの雇用確保は、年金が65歳からということになるので、何らかの形
で、きっちりと65歳まで働けるように求めて欲しい。
私鉄 :賃金体系が違う部分がある。出来高部分では、県内で食い合いになる。県内に
72社ある。観光客が奈良にドンドン来て頂けるような観光政策をお願いしたい。
議員 :宿泊施設を整備する対策も必要だ。ただ、一流ホテルだけでなく、修学旅行生や
アジアの外国人が安く泊まれるようなことが大切だと思う。県は、一流ホテルの
ことばかり言っているが。
UIゼンセン:若年層の方々が、精神的に弱い感覚をもつている。メンタルヘルス対策なんか他
企業はどうしているのかと思う。
UIゼンセン:最近、新入社員を採用してくれない。生産性を上げなければならず、非常に繁忙
感。逆に若年層がいたら、退職させないようにみんなでフォローしてます。
私鉄 : サービス業の現場であり、アルバイト・パートがほとんど。常時、人が足りな
い状態がずっと続いている。売り上げが低下している。10年間ベアなし。定
昇制度により若干は賃金が上がっているが微増。非正規の方々は、正社員には
なりたがらない。責任、転勤などが要求されるのを嫌がっている。正社員は、サービス残業ありきのような状態。売り上げを気にしてつけられない。
議員 : 人が足りないというのは、求人していないのか?
私鉄 : 求人しても、すぐに辞める若い子が多いからだと思う。
UIゼンセン:企業側の話として、良い人材を採用したいが、面接でも聞きたい事が聞きにくい
結果として見極めにくいという話も聞いている。
私鉄 : 私どもの会社も新規採用がない。2年前に久しぶりに新規採用があったが、何
年も無かったので、労務構成がいびつになっおり、世代の違いからコミュニケ
ーションがとれなくなっている。一番近くても8年もあいている。お互いに困
った状態だ。
議員 : そんなに採用がなかったら、人がいないということですか?
私鉄 : 労働力はパート・アルバイトを雇って仕事している状態です。
UIゼンセン:産別で経済データを色々と頂くが、ネガティブなデータが多い。ただ、交渉の中
では、東京・大阪・奈良という具合に会社から引き合いに出されて、奈良県だから、仕方ないでしょ。ということになる。奈良が強みとしてこういうこともあるということがあれば、会社側にも、こんないいデータもあるではないか?と言えるので、そのようなデータが欲しい。
UIゼンセン:産別として提供できるように対応します。
議員 : 奈良は教育の水準も高く、大阪などと比較して優秀な人材が多いという事も聞
いている。これはポジティブな面ですね。
議員 :数年前から、市の現業職員をたたく風潮が続いているが、公募で求人したら、
100倍を越える応募があった。公務員という待遇と安定を求めての結果であり、
高学歴の方も多い。こんな社会なので3Kであっても待遇や安定を求める人たち
も多い。
UIゼンセン:人が来ないのは、介護現場だ。
議員 :公契約条例は制定に向けて、実態調査をしている。賃金実態など。
自治労:従来、契約要件など競争入札でだけだった。やはり、歯止めをかけないと。
連合 :知事とも一緒になって協議始めている。やっと入り口に立ったという状態ではあ
るが政策協定も交わしている。
議員 :保育所に入れたいが入れられないというような職場の声はないですか?
UIゼンセン:公立は、通勤の至便を考えて選べないし、保育時間延長もなかなか難しい。
まとめ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
要員不足・採用抑制・若年層のメンタル・技術継承・非正規の方々のニーズ・求人・
65歳までの雇用・企業誘致や定着のための施策・賃金抑制・観光事業・春闘の交渉手法・公契約条例・医療介護・など大変多岐に亘る意見交換、情報共有の場となった。
連合は、2012春季生活闘争方針の中で、労使で健全な危機感を共有しつつ、成長の源泉である人財育成を主張している。春闘では、労使が真剣に様々な経営課題・職場の課題について論議出来る場であり、厳しい現状だけに流されることなく、すべての労働者を視野に入れ処遇改善、格差の是正により、雇用と生活を守り安全で働きがいのある職場作りに向けた春闘となるよう確認しあった。
以 上