第25回労働トップフォーラム 参加報告
日 時 : 2014年 6月 7日(土)10:30~
場 所 : マイドーム大阪
参 加 : 約400名(連合奈良:29名)
テーマ : 「働くことを軸とする安心社会に向けて」
~労働組合とリーダーの情熱・挑戦~
内 容 : 1.開会挨拶 公益財団法人関西生産性本部
副会長 小林 哲也 氏(近畿日本鉄道(株)代表取締役社長)
連合近畿ブロック連絡会
代表幹事 山﨑 弦一 氏(連合大阪 会長)
2.基調講演
テーマ:「最新国際情勢と今後の日本の行方」
安全保障スペシャリスト 多色大学特任教授
前防衛大臣 森本 敏 氏
3.経営者懇話
テーマ:「経営者からみた労働組合への期待」
~37年のコマツでの「人事屋生活」を振り返って~
コマツ(株式会社 小松製作所)顧問 日置 政克 氏
4.特別講演
テーマ:「ラグビーから学ぶ!強い組織とリーダーシップ」
神戸製鋼ラグビー部ゼネラルマネージャー
平尾 誠二 氏
5.閉会挨拶
公益財団法人関西生産性本部 労働政策委員長
檜垣 次郎(関西電力労働組合 本部執行委員長)
【概 要】
開会挨拶:小林哲也氏 (近畿日本鉄道代表取締役社長)
緩やかな景気回復の中、本年の春闘は各社労使の真摯な協議の結果、ベースアップや一時金の満額回答など各社の企業業績に応じた成果をあげられた。今後、個人消費の拡大によるデフレからの脱却に期待する。また国際情勢については、緊張感が増している。経済はグローバル化しており私たちの将来を考えるにも国際情勢はかかせない。国内でも少子高齢化、財政健全化、エネルギー問題など乗り越えるべき課題が山積している。これらを乗り越えるためにも労働組合の役割、リーダーに求められるものについて、本フォーラムが一助になることを期待している。
山﨑 弦一 氏 連合近畿ブロック連絡会 代表幹事 (連合大阪 会長)
いま連合では、STOP THE 格差社会!の一環で労働者保護ルール改悪阻止にむけて積極的に様々な取組を展開している。この中身の一つに労働を時間ではなく成果で管理しようという考え方がある。これは、二十数年前から多くの企業、労使で志向錯誤しているが日本には適合しないのではないかというのが私の結論である。アメリカでさえ破綻しかけている。企業は、ハイパフォーマーだけではなりたたない。ハイパフォーマーだけに焦点を当てたり、正規・非正規というような労働者を分断する政策は少子高齢化が進むわが国はとるべき政策ではない。むしろ、人と人とのつながりを強くし生産性をあげていくことが大切である。
また、人と人が関わっていく上では、物の見方、視点、価値観さまざまな違いも出てくるが、より多く把握することも大切であり本フォーラムがそのように皆さまにとって役立つものであることを祈念する。
テーマ:「最新国際情勢と今後の日本の行方」
安全保障スペシャリスト 多色大学特任教授 前防衛大臣 森本 敏 氏
現在のわが国を取り巻く国際情勢、特に中国、韓国など東アジアの情勢を考える上で、特定秘密保護法案や集団的自衛権の閣議決定に向けた動きなど、より現在の国際情勢の中で日本の防衛について自身の考え方を説明。国民はゆるやかにナショナリズムに傾いている。また武器開発も一国で完結するようなこれまでのやり方は、現在世界の主流ではない。各国が共同開発し技術、費用負担を補いあっている。わが国も国際社会と歩調を合わせ日本の防衛を考えなければならない。
テーマ:「経営者からみた労働組合への期待」
~37年のコマツでの「人事屋生活」を振り返って~
コマツ(株式会社 小松製作所)顧問 日置 政克 氏
アメリカで研修し、1986年英国コマツ(株)にて現地生産立ち上げプロジェクトに携わる。
働く社員を見る視点「働きつづけたい会社」「居甲斐のある会社」にするために、日本流ではなく、コマツ流。非金銭的報酬(インセンティブ)。社員目線の人事、労働組合の必要性、人材育成→キャリア支援へ、普段着のグローバリゼーション(自分たちの強みを自信に)など講演。
テーマ:「ラグビーから学ぶ!強い組織とリーダーシップ」
神戸製鋼ラグビー部ゼネラルマネージャー 平尾 誠二 氏
自身の経験談から、リーダー像について語る。高い専門性、優れた人格、自分に厳しく他人に厳しく、時には恐怖心を与えるなど平尾氏を指導した指導者や両親の行動などを振り返りながら、リーダーについて、組織としての向上について、個人の成長について語った。会場は時折、笑いがあふれ盛り上がった。
その他、それぞれのテーマごとに、会場から1~2点、質問があり、講師から回答。