「奈良県公契約条例」制定記念フォーラムを開催!

連合奈良は、10月4日(土)14:00~奈良ロイヤルホテル 2F ロイヤルホールに於いて

「奈良県公契約条例」制定記念フォーラムを開催した。

 

 参加者は、連合奈良構成組織は勿論のこと、奈良県からは、荒井正吾 奈良県知事をはじめ産業雇用振興部、会計局、市町村からはそれぞれ担当部局の方々、また、奈良県社労士会、奈良県建築労働組合、民主党奈良県連の各級議員の皆さま、県下無所属議員の方々、奈良県労福協、全労済奈良県本部と各界から約100名が参加した。

 

冒頭、連合奈良小山淳二会長は、主催者代表あいさつの中で、全国に先駆け、奈良県公契約条例制定を実現された荒井正吾奈良県知事の功績を高く評価するとともに、条例制定に携わってこられたすべての方々へに対し御礼を述べた。また、連合奈良の条例制定に向けた、これまでの取り組みについて触れるとともに、条例制定の意義と今後の課題について挨拶した。

【挨拶要旨】

 少子高齢化の進展と財政危機の深刻化を背景に、自公政権下では、いかに「効率的にサービスを提供するか」「住民ニーズにどう応えるか」ということを名目にしながら、「官から民へ」「民にできることは民に」というスローガンのもと、官(行政)が担ってきた公共サービスの多様化が進められてきた。しかし、現実の姿は、必ずしも質の高い公共サービスが提供されているとは言い難い現状であり、これまで住民サービスを維持するために、多くの地方自治体において厳しい人員や給与の独自削減を実施してきた。またこうしたことは、民間中小零細企業や地域経済へ悪影響を及ぼすことでもあり、公契約における過当競争による落札価格の低下が賃金を引下げ、委託・入札企業に働く労働者の賃金・労働条件の低下や雇用不安を引き起こし、ひいては住民生活への大きな混乱や被害をもたらすことになり、現に痛ましい事故をも引き起こした。

 

 安全かつ良質な公共サービスが適正かつ確実に実施されるようにするため、公共サービスに従事する者の適正な労働条件の確保、労働環境の整備が必要であると考え連合は公契約条例制定をめざして、推薦議員とも十分連携し、各自治体等への要請を行うとともに、大衆行動を通じ県民市民の皆さまに対して訴えを繰り返し行ってきた。

  奈良県公契約条例は、適正な労働条件の確保その他の社会的な価値の実現及び向上を図り、もって地域経済の健全な発展及び県民の福祉の増進に寄与することを目的とすると明記されており、その実現のため、今後、県内の各市町村での条例制定に向けた運動を進める。また、奈良県公契約条例を守り育てていく意味からも本フォーラム開催の意義があり、さらに理解を深め今後につなげていきたい。

 

 ご来賓としてご挨拶される

  

 

荒井正吾 奈良県知事           連合本部 須田 孝  総合労働局長

 

 

1.記念講演:  「公契約条例を地域で考える-それぞれの条例・全国比較」

        ~奈良県公契約条例に期待するもの~

        公益財団法人 地方自治総合研究所 非常任研究員 菅原 敏夫 氏

 

 

 

 2.パネルディスカッション:「奈良県公契約条例を活かした安心社会の構築」

  コーディネーター     奈良女子大学名誉教授   澤井  勝 氏

  パネラー         奈良県会計局 局長    江畑 幸男 氏

               奈良県社労士会 会長   服部 永次 氏

               公務労協本部 副事務局長 花村  靖 氏

               自治労奈良県本部副委員長 西田 一美 氏(連合奈良政策委員会委員)

 

 

   

  澤井名誉教授             写真左から、江畑氏、服部氏、花村氏 西田氏

 

☆参 考:奈良県公契約条例条例ポイント☆☆☆

 奈良県議会は平成26年7月4日、「奈良県公契約条例」を全会一致で可決。平成27年4月1日から施行。
この条例でいう公契約は、県が発注する建設工事の請負契約、県が業務を委託する契約及び県が締結する公の施設管理に関する協定となっています。基本理念には、公契約当事者が地域社会に貢献する経済主体に相応しい行動や役割が強く期待されていることに鑑み、公契約の締結および履行が適切かつ公正に行わなければならないとしています。
公契約に従事する労働者には最低賃金以上の賃金の支払いを行うこととなっており、いわゆる労働条項(報酬下限額)の定めはありません。また、条例で定める賃金支払い状況の報告を行わなかったり、虚偽の報告をした場合及び立ち入り検査の拒否や妨げ、虚偽の答弁が行われた場合には5万円以下の過料に処することが条例で定められているのが特徴です。
 連合奈良は、これまで県知事との政策懇談会や議員などとの意見交換を重ね、条例制定に向けて取り組んできました。2014年5月に県が実施した公契約条例骨子案について5月16日(金)開催の県知事との政策懇談会で直接知事に提言した上、パブリックコメント募集に対して、①企業間の公正な競争を実現するためには「最低賃金以上の賃金を支払うこと」ではなく、「作業報酬下限額」で一定の基準を定め、その額の決定にあたっては公共工事設計労務単価などを勘案するべきである、②契約当事者は自ら合意した契約上の債務を履行する義務を負うものであり、不履行があった場合は「過料」という罰則規定ではなく、契約解除や違約金の支払い、受注資格の喪失等で対処すべきである、等の意見を提出しています。
また、5月17日(土)には連合奈良政策フォーラムを開催し、古川弁護士を招いて奈良県公契約条例骨子案への評価や今後の育て方などについて講演を行いました。
 今後は、条例によって設置される、条例の運用方針等について調査審議を行う「公契約審議会」および、過料の適否や公契約の適正な履行確保のための措置について調査審議する「公契約適正化委員会」の委員に労働組合代表者が選出されるよう働きかけるとともに、市町村の条例制定にむけ運動を進めます。

 

 

フォーラム終了後、引き続き、奈良県公契約条例制定記念レセプションを開催し、参加者一同、幅広く意見交換が行われた。

 

 

 

労働相談ホットライン フリーダイヤル:0120-154-052


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