2011年度 第428回最低賃金審議会 報告

第428回奈良県最低賃金審議会 報告

日 時 : 2012年 3月 6日(火)16:30~

場 所 : 奈良労働局 別館会議室

出席状況: 公益側委員 全員(5人)

      経営側委員 全員(5人)

      労働側委員 全員(5人)小谷久己(電機)、中西勝(自動車)、

山口シズエ(UIゼンセン)桐木正明(連合)

水野仁(連合)

会議次第

 

1.開会             上野 紘 奈良地方最低賃金審議会 会長

    H23年度、最後の審議会であります。大変ご苦労さまでした。

    公労使で真摯な議論を尽くし、最終的には全会一致で結論が出せることが、

    大切であると考えている。今後も宜しくお願いいたします。

 

2.議題

    (1)特定(産業別)最低賃金額改正の意向表明について

       別紙1のとおり。

    

(2)奈良県最低賃金専門部会の廃止について

   本日の第428回最低賃金審議会において、専門部会を廃止とする。

 

(3)平成24年度の奈良地方最低賃金審議会の公開等について

   公開とする。

 

(4)その他

   2012年度最低賃金行政に関する要請書を連合奈良より、

   小松克行 奈良労働局長に対して提出。

   別紙2のとおり。

 

 

 

 

 

 

別紙1

2012年2月28日

奈良労働局長 小松 克行 様

日本労働組合総連合会

奈良県連合会(連合奈良)

会  長  小山 淳二

 

特定(産業別)最低賃金額改正の申し出に関する意向表明書

 最低賃金法第15条の規定により、下記の件について申し出る意向であることを表明する。

 

― 記 ―

  1. 1.      特定(産業別)最低賃金の金額改正の意向表明

(1)  金額改正を申し出る予定の産業別最低賃金の件名

    奈良県はん用機械器具、生産用機械器具、業務用機械器具製造業最低賃金

    奈良県電子部品・デバイス・電子回路、発電用・送電用・配電用電気機械器具、

産業用電気機械器具、民生用電気機械器具製造業最低賃金

    奈良県自動車小売業最低賃金

 

(2)  申し出を予定するものが代表する基幹的労働者の範囲

奈良県に於いて、上記(1)の事業を営む使用者に使用される労働者。

 

(3)  申し出予定の内容

上記(1)の最低賃金の金額改正の決定を求める。

なお、最低賃金額は、最低賃金法第15条に基づく最低賃金審議会の決定による。

 

(4)  申し出理由

    賃金の最低額に関する労働協約の適用労働者数が、概ね3分の1以上に達して

いること。(奈良県自動車小売業を除く)

    奈良県自動車小売業は、公正競争を確保する観点から適用労働者数の概ね3分

の1以上の合意に達する見込み。

 

2.申し出の時期

2012年(平成24年)7月末迄に申請予定。

以上

別紙2

2012年2月28日

奈良労働局長 小松 克行 様

日本労働組合総連合会

奈良県連合会(連合奈良)

会  長  小山 淳二

 

2012年度最低賃金行政に関する要請書

 

貴労働局におかれましては、日々の労働行政に関して、働く人々の安心、安全、安定に向けた労働環境向上に対するご尽力に心から敬意を表します。また、日頃は、連合奈良の運動に深いご理解とご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。

 私たち連合奈良は、貴局をはじめとする行政各局にご指導賜りながら、日常的に発生する労働問題に対して、労働者保護の立場で解決に取り組んでいるところです。

さて、最低賃金の目的は、最低賃金法第1条に明記してあるように「賃金の低廉な労働者について、賃金の最低額を保障することにより、労働条件の改善を図り、もつて、労働者の生活の安定、労働力の質的向上及び事業の公正な競争の確保に資するとともに、国民経済の健全な発展に寄与する」ことにあります。

 連合奈良は、全ての労働者の生活の安定や労働力の質的向上、事業の公正な競争を確保するうえで、最低賃金の水準や制度のあり方と決定の仕組みについて、十分に機能しているのかなどを検証しながら、今日の経済・社会環境の変化を踏まえつつ、更に充実・改善させることが重要だと認識しています世界経済は、同時不況の瀬戸際にあります。2008年のリーマンショックにより、世界金融危機に陥るなかで、EUでは、ギリシャのデフォルト危機をはじめとするソブリン・リスクと金融不安が高まっています。加えて、これまで世界経済の牽引役を担ってきた中国をはじめとする新興国もインフレや労務費の上昇と、拡大する所得格差と貧困層の増加が社会問題化し、経済成長のスピードにも陰りが見え始め、一方、日本経済は「構造的な危機」と「東日本大震災からの復旧・復興」という大きな課題に直面しています。長期低成長とデフレからの脱却ができず、非正規労働者の増加、所得格差の拡大、財政難と社会保障の負担増など先行きの不透明感が強まっています。企業業績の動向をみると、震災後の生産、消費を中心とする日本経済の急激な落ち込みは、すでに震災前の水準にまで回復しているものの、直近では、急速な円高やタイの洪水の影響から減益となっています。先行きについても、欧州を起点とする経済や金融の混乱が、世界の企業業績に影響を及ぼし始め、一段と不透明になっています。

そのような中、労働者の雇用と生活は、危機的な状況にあります。経済の低迷が20年続き、デフレからの脱却が出来ない中で、格差社会は深刻化し、貧困層は増大、ワーキングプアとも呼ばれる年収200万円以下の者も1,000万人を超えています。生活保護世帯・受給者は増加を続けており、貧困・格差問題の解消は未だ途上であります。雇用情勢についても、完全失業率は若干回復の兆しはあるとされるものの、まだまだ厳しい状況が続いています。こうした状況の下で、賃金の底支え機能としての最低賃金制度の果たすべき役割は一層重要性を増しており、賃金のセーフティネットとして十分な機能発揮が、社会的な課題として求められています。我が国の労働条件決定メカニズムは、企業内決定・企業内適用が一般的であり、労使協議による適正な賃金決定という基本が、労働組合のない事業所においては実現されておらず、地域における団体交渉の補完的機能を有している特定(産業別)最低賃金の持つ役割はますます重要になっています。最低賃金法が改正され、世論による最低賃金の水準上昇に期待は今までになく高まっています。

以上の観点から、地域別最低賃金と特定(産業別)最低賃金の実効性ある水準への改善の実現に向けてご尽力いただきますようご要請申し上げます。

 

― 記 ―

 

1.奈良県最低賃金の改定について

(1)奈良県の生活実態や賃金実態を考慮した奈良県最低賃金審議会の自主性を発揮され

たい。

(2)一般労働者の賃金水準との整合性および生活実態・生計費を踏まえ、セーフティネ

ットとしての実効性の高い水準をめざされたい。

(3)連合リビングウェイジを参考とした単身労働者の必要最低生計費(870円)、高卒初

任給の時間換算額(957円)、一般労働者の賃金水準等に対する適正な水準の確保に努めてもらいたい。

(4)奈良県最低賃金と各種労働・経済指標における全国順位との整合性の確保に努めて

もらいたい。

(5)審議日程の設定にあたっては、従前の発効日に回復するよう審議日程の確保をはか

られたい。

 

2.奈良県特定(産業別)最低賃金の改正について

(1)直近の雇用変化を踏まえた適正な適用労働者数を確保されたい。

(2)金額改定については、企業内最低賃金に準拠した水準をめざし、可能な限り引上げ

をはかられたい。

(3)第三次産業分野における特定(産業別)最低賃金新設に向けた取り組みを行政の立

場で支援されたい。

(4)発効日については、「年内発効」をさらに前倒しした発効をめざされたい。

 

3.監督行政の強化について

(1)要員の増強等、監督行政の抜本強化をはかるとともに違反事業所への積極的な摘発等により、最低賃金制度の実効性を高められたい。

(2)事業主の最低賃金の履行確保とより一層の周知徹底をはかられたい。

以上

労働相談ホットライン フリーダイヤル:0120-154-052


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