公契約条例制定をめざす奈良県シンポジウム 開催報告

小山淳二 連合奈良会長

2012年6月30日、「公契約条例制定をめざす奈良県シンポジウム」を公契約条例制定をめざす奈良県民の会(連合奈良、奈良県公務労協、民主党奈良県連、社民党奈良県連、NPO障がい者雇用事業センターで構成。代表:奈良女子大学名誉教授 澤井勝)主催のなか奈良ホテルで開催した。
会場には、奈良県行政団体(奈良県・奈良市長・天理市公室次長)、各級議員、連合奈良加盟労働組合等から180名が参加し、討論に積極的な参加をいただいた。

 


▲来賓あいさつする荒井正吾奈良県知事

 はじめに、小山淳二 連合奈良会長が主催を代表して挨拶、来賓として、荒井正吾 奈良県知事にお越し頂き、「今 奈良県に公契約条例制定に向けて、連合奈良をはじめとして 他府県の   

先行事例を参考にしながら意見交換を行いながら検討している段階」と挨拶。

 基調講演は、2009年9月、公契約条例を全国的に先駆けて制定した千葉県野田市の根本崇市長が、「公契約条例ななぜ必要か?野田市の現状を踏まえて」と題して講演いただいた。
根本市長は、「国は、行政改革を進め ムダを削って新たな政策を構築するとしながらも、財政再建面に特化し、本来の行政運営が備えるべき「人間味」を疎かにしている。
市民が本当に必要とする行政サービスの質を落とさない工夫のひとつとして、またワーキングプアを増やさない策として、公契約条例制定に向けた条文の具体、これまでの作業改定を野田市における条例を示しながら説明された。
制定に際し、経費の増はあまりならず、職員負担についても担当職員1名増員のみで対応してきた。
最近では、他5市が公契約条例を制定されたが、条例比較等も行いながら、市民レベルで納得できる改定を今後も行っていきたいと講演。
 

講演いただいた根本崇 千葉県野田市長

次に、パネルディスカッションでは、コーディネーターを澤井勝 奈良女子大学名誉教授、
パネリストに、根本崇 野田市長、田中敏彦 奈良県会計局、藤川伸治 公務労協本部副事務局長、古川友則 連合奈良副会長の構成にてシンポジウムを行った。
はじめに、コーディネーターから公契約の基本的な考え方や現状について提起され、「なぜ公契約条例が必要なのか」を共に、考えるという本シンポジウムの意義について提起。
パネリストは、簡単な自己紹介とそれぞれの立場において取り組み報告が行われた。
田中敏彦 奈良県会計局長は、奈良県の公契約条例制定に向けた取り組み、現在までの進捗状況について報告され、課題や困難な点などについてもふれられた。
古川友則 連合奈良副会長は、泉南市で起きたプール事故を例に、公契約条例の必要性について訴えた。

 

シンポジウ コーディネーター・パネラーのみなさん       

 藤川 伸治公務労協副事務局長は全国的な動向について例をあげながら奈良県への期待を述べた。
会場からの質疑では、私鉄県連奈良交通労働組合の松石さんから、養護学校スクールバス輸送契約から見た労働者の生活を守る公契約条例の役割、コミュニティバスや乗合タクシー等の輸送契約から見た安全性を高める公契約条例の役割について質問があり、藤川さん・根本市長のパネリストが他府県事例をまじえながら回答した。他では、参加議員 吉川政重衆議院議員・大西孝典衆議院議員秘書(森田)から、奈良県への条例制定に向けた検討項目についてそれぞれ質問。
田中 奈良県会計局長は質問を踏まえてこれから制定に向けた検討を盛り込んでいくと回答。
最後に、コーディネーター 澤井勝 奈良女子大学名誉教授は、ILO(国際労働機関)94号条約が基本となって、1949年に条約は、60カ国が批准している。地域からこの条例をつくりあげることにより、住民の税をつかう公共事業にかかる企業は、労働者に適切な賃金を支払う義務を要することになる。このシンポジウムをきっかけに条例制定の意義を幅広く訴えながら、運動していく必要があるので、奈良県での取り組みを今後もすすめてほしい」と締めくくった。
最後に、小南昌紀 公務労協奈良議長による、公契約条例制定にむけたアピールを提案。全体の拍手で確認された。
総合司会の竹平均 連合奈良事務局長がまとめと閉会あいさつを行い、シンポジウムは終了した。

労働相談ホットライン フリーダイヤル:0120-154-052


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