2012 人勧方針地方担当者説明会 報告

日時:2012年6月8日(金) 13:30~

場所:KKR東京ホテル

議題:2012人勧期方針について

出席者:連合奈良 桐木

 

内容: 

 2012年春季生活闘争の経過
1.連合の春季生活闘争
 連合は、2012春季生活闘争について、具体的には、①賃金制度の確立・整備と賃金カーブ維持分の明示・確保、②非正規労働者を含めたすべての労働者を対象とした処遇改善、③企業内最低賃金協定の締結拡大と水準の引上げ、④産業実態を踏まえた総実労働時間の短縮、時間外・休日労働の割増率の引上げ、をミニマム運動課題として設定し、労働組合運動の求心力を高めるとともに、交渉結果の社会的波及をめざして取り組みました。同時に、これらの取組みと合わせ「2012政策・制度実現の取組み」を運動の両輪として位置づけ、①震災からの復興・再生、②日本経済の持続的・安定的成長軌道への復帰と雇用創出、人材育成、③ディーセント・ワーク、ワーク・ライフ・バランスの実現、④社会保障・税一体改革の実現、などを求めてきました。
賃上げについては、「労働条件の復元・格差是正」をめざし、1%を目安に適正な配分を要求するとともに、未組織労働者や非正規労働者を含むすべての労働者の処遇改善をめざしました。

 

2.公務労協の取組み
公務労協は、1月24日の第13回代表者会議で、2012春季生活闘争方針を決定し、第一にすべての公務・公共サービス労働者の生活の維持・確保と格差の是正をはかること、第二に良質な公共サービスの実現に向け、公共サービス基本条例制定に取り組むこと、第三にこれらの取組みを通じて組織の強化・拡大をはかること、を柱に、組織の総力を挙げた取組みを展開してきました。具体的には、①ディーセント・ワークの実現、②2012年良い社会をつくる公共サービスキャンペーンの具体化、③政策制度要求の実現に向けた取組み、④公務員制度改革と労働基本権の確立の取組み、⑤地方分権改革・国の出先機関の見直し、独立行政法人及び政府関係公益法人等の見直し及び行政刷新・事業仕分けへの対応、⑥社会保障改革・被用者年金一元化への対応、などを当面の重点課題として取り組んできました。

 「国家公務員の給与の臨時特例に関する法律案」及び「国家公務員制度改革関連四法案」(以下、「関連四法案」という。)の取扱いに関して、2月17日の民主・自民・公明の三党政調会長会談で、①人事院勧告を実施し、さらに7.8%まで国家公務員給与の削減を深掘りするため、自民・公明両党共同提出の「一般職の国家公務員の給与の改定及び臨時特例等に関する法律案」(以下、「給与改定・臨時特例法案」という。)を基本とする、②地方公務員の給与については、地方公務員法及び給与改定・臨時特例法案の趣旨を踏まえ、各地方公共団体での対応のあり方について、国会審議を通じて合意を得る、③関連四法案については、審議入りと合意形成に向けての環境整備をはかる、等の内容で合意されました。

 

2.地方公務員の取組みと課題

(1) 人事委員会勧告期(~10月)においては、民間賃金実態に基づき公民較差を精確に把握し、人事委員会勧告制度の下で地方公務員のあるべき賃金を勧告するよう取組みを進めます。また、賃金確定、2013年度予算編成期における地方交付税・義務教育費国庫負担金等に係る取組みと課題については、諸情勢を踏まえつつ、あらためて具体的な取組みを提起します。
① 中央段階では、総務省に対して、以下の通り、交渉・協議を進めます。
第1に、国公給与改定・臨時特例法による給与引下げと同様の措置を地方自治体に求めないという国会での政府答弁を踏まえて対応することを約束させます。
第2に、自律的労使関係制度のもと協約締結権が付与され、労使交渉を通じて労働条件を決定するシステムに転換することを前提に、各自治体の労使交渉による労働条件決定を尊重するよう強く求めます。
② 地方段階では、人事委員会に対して、次の通り、交渉・協議を進めます。
第1に、国公給与改定・臨時特例法による給与引下げ措置はあくまで国の事情によるものであることを踏まえた対応を行わせることを追求します。
第2に、人事委員会勧告・報告への対応や諸手当の改善については、各地方自治体の地域の職員の実情を踏まえつつ、組合との十分な交渉・協議のもと進めることを求めます。
地公共闘組織などによる人事委員会への要求書を提出する基準日は、公務員連絡会が人事院総裁に「2012年夏季(人勧期)における要求書」を提出する日とします。
(2) 臨時・非常勤職員の処遇改善、安定雇用確保に向けて、総務省、人事委員会への対応を強めます。特に、非常勤職員の諸手当支給制限に関する制度の見直し(地方自治法第203条の2、第204条の改正)を求めて総務省交渉を強化します。
(3) 現業職員・公営企業職員への給与削減の動向に対しては、2010人勧取扱い方針の閣議決定以降、自民党政権の下で言及されていた「骨太の方針2007」で示された技能労務職員等の賃金引下げの着実な推進要請は行われていないことを踏まえ、一方的な削減を許さず、合意と納得を求めて交渉を強化します。
(4) 新たな高齢雇用施策に関わっては、国の動向を踏まえつつ、地方公務員の実態を踏まえた制度となるよう総務省交渉を進めます。
(5) 質の高い公共サービスを実現するため、政府が集中改革プランという法的根拠のない仕組みを全国に強いてきたことを解除する、としたことを踏まえ、自治体当局に対して必要な定員を確保するよう取り組みます。

 

 

2012年夏季(人勧期)の諸行動等の日程
諸行動等の日程
5月
 1日(火) 民調開始(6/18まで)
 28日(月) 合同会議で夏季(人勧期)の取組み方針(案)提起
6月
 8日(金) 夏季(人勧期)の取組み方針決定、地方代表者説明会
 18日(月) 民調終了
 19日(火) 2012年夏季(人勧期)要求提出/人事院総裁×委員長クラス
          <第1次全国統一行動> 職場集会等で要求事項の確認等
           <人事院地方事務局要請行動>
7月
 中旬   幹事クラス交渉
8月
 上旬   委員長クラス交渉(人事院総裁)
       [2012人事院報告] 
          翌日 <第2次全国統一行動>

 

各人事委員会への要求事項(案)

1.民間賃金実態に基づき公民較差を精確に把握し、人事委員会勧告制度の下で地方公務員労働者のあるべき賃金を勧告すること。当面、現行の比較企業規模を堅持すること。また、一時金の公民比較は、月例給と同様に、同種・同等比較を原則とするラスパイレス比較を行うこと。

2.各人事委員会の勧告に向けた調査や作業に当たっては、組合との交渉・協議、合意に基づき進めること。

3.諸手当の改善については、地域の実情を踏まえつつ、組合との十分な交渉・協議に基づくこと。

4.臨時・非常勤職員の処遇改善に関わって人事委員会として可能な対応を行うこと。

5.公立学校教職員の給与の見直しに当たって、各人事委員会が参考としうるモデル給料表を作成する際には、関係労働組合との交渉・協議を行うこと。

6.新たな高齢者雇用施策については、65歳までの段階的定年延長を実現するため、直ちに意見の申出を行うこと。

7.公務におけるワーク・ライフ・バランスを確保するため、年間総労働時間を早期に1,800時間程度に短縮し、引き続き次の事項の実現に努めること。
(1) 実効ある男女共通の超過勤務規制のための積極的施策の推進
(2) 年次有給休暇取得の促進
(3) 労働時間短縮のための人員確保等の施策の構築

8.各種休暇制度を新設・拡充し、総合的な休業制度を確立すること。とくに、家族看護休暇およびリフレッシュ休暇・有給教育休暇(リカレント休暇)の新設、夏季休暇日数の拡大をはかること。

9.育児休業及び育児のための短時間勤務等について、臨時・非常勤職員を含めて制度を十分に活用できるよう、引き続き周知と取得しやすい職場環境の整備を図るとともに、「新成長戦略」(2010年6月18日閣議決定)に基づき、2020年までに男性の育児休業取得率13%を達成できるよう、実効ある具体的促進策を講じること。

10.実効あるセクシュアルハラスメント、パワーハラスメントの防止策を引き続き推進するため積極的な対応を行うこと。

11.公務職場における障がい者、外国人採用の促進をはかるため、職場環境の整備を含め必要な措置を行うこと。

労働相談ホットライン フリーダイヤル:0120-154-052


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